健診データの男女差 [健康診断データ]

健診データのような臨床検査値も人種・個人差とともに性差があることは古くから知られています。性差の大きい臨床検査値にはつぎのようなものが上げられています。
- 男性>女性
- 赤血球、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、プレアルブミン、ハプトグロビン、尿酸、BUN、クレアチニン、総ビリルビン、VLDL、γ-GTP、フェリチン、CPK、17-KS、17-OHCS、カテコールアミン、アドレナリン、腎機能
- 女性>男性
- 血沈、ZTT、中性脂肪、IgM、IgD、クレアチニン、GH、エストロゲン、プレグナンジオール、黄体化ホルモン、プロラクチン
検査値分布の男女差を幾つかのパターンでみてみましょう。これまでにお見せしてきた女性と男性の分布図を重ねてみると、その分布状況の違いが良く分かります。下記の分布パターンの分類は医学的な見地によるものではありません。また検査項目によっては70才以上のサンプル数が少なく歪みが考えられる場合があります。下表はパターン区分の一例と該当する検査項目およびその分布図例です。言うまでもなく分布図はVisualHealth.Naviでの作成です。(図はマウスクリックで拡大表示します)
グラフの見方は→こちら
上図表はつぎの縦行のA~E、横列①②の組み合わせになります。
縦行
若年(20~39)中年(40~59)老年(60~)における検査平均値が次の場合。
A.一貫(若年・中年・老年)して男性が高い
B.若年・中年では男性が高いが老年では値が近似する
C.若年・中年では女性が高いが老年では値が近似する
D.一貫(若年・中年・老年)して男性と女性が近似する
E.若年では男性が老年では女性が高くなる
横列
分布幅(標準値)や1SD、2SDの年齢パターン形状が次の場合。
①分布幅やパターン形状が類似している
*は女性のパターンに特徴(特異点)がある検査項目
②分布幅やパターン形状が異形
図例以外の分布状況を試してみたい方は、下記のVisualHealth.Navi「判定くん」をダウンロードしてお試しください。
![[目]](https://blog.so-net.ne.jp/_images_e/84.gif)
一般に男性の方が高いとされる総ビリルリンや女性の方が高いとされる中性脂肪・クレアチニン・ZTTなどは、このデータでは必ずしもそういった定説とは違う結果を見せています。また、AST(GOT)、ALT(GPT) 尿素窒素、中性脂肪などのように若年・中年では差異があっても老年では近似する検査項目も少なくありません。ただしこのデータのサンプル数は全体で6万人程度ですから、冒頭でもお断りしたように年代によってはサンプル数が不足し歪みが出ている可能性もあります。一つのデータ例としてご覧ください。
![[いす]](https://blog.so-net.ne.jp/_images_e/171.gif)
〇 本文中のグラフや標準値領域については次をご覧ください。
本文中のグラフの見方について
http://www.gikosha.co.jp/fig_blog/gpatalks_graph.html
標準値の領域区分について
http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2011-12-12

全般
http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
基準値と標準値
http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
EBMと標準値
http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html
〇 性年齢に応じたご自身の健康ポジションの判定
検査値からご自分の健康ポジションを算出してみたい方は
次のURLからVisualHealth.Naviの「判定くん」をダウンロードしご試用ください。
http://www.gikosha.co.jp/support/download.html
〇 イラストは下記URLよりフリーイラストを使わせていただきました。
http://hospital-illustration.com
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