肥満(BMI)と血糖・血圧 [健康診断データ]

今回は、肥満(BMI)と健診値相関、今回は血糖と血圧関連の個々の健診項目との相関分布です。
ここでのグラフ等は、あくまでもVisualHealth.Naviの機能紹介の一環であることをご承知置きください。
統計的な見地であると共に、いずれの健診項目でも、データ(人)数の関連で年代別の相関係数は信頼度が低くなります。
BMIと血糖値 |
[食べ過ぎ]ることで[肥満]になり[糖尿病]を起こすという図式でしょうか。太っている人が必ず糖尿病になるわけではありませんが、「肥満糖尿病」という言葉があるほどですから、肥満と血糖値の関係はよく言われます。次の相関を見る限りは、BMIと血糖値の関係はほとんど見られません。このデータからは判断できませんが、肥満度(BMI)の変化と検査値の変化からは、異なった傾向が見られるかも知れません。
血糖健診項目の分布や標準値については→ ○ 基準値と性年齢 : 血糖
◇【空腹時血糖】と【BMI】
円形を僅かに斜め楕円形につぶしたような散布状況です。
全体では女性が僅かに相関を示す値となりますが、男性はほとんど相関が無い散布状況です。年代別では女性の50代、男性の60代で中程度の相関が示されています。
(相関係数 : 女性=0.32 男性=0.17)
◇【HbA1c】と【BMI】
横方向に固まった散布状況からも分かるとおり、女性男性共に相関は見られません。年代別男性の25才代で高めの相関が見られますが、このデータでは当該年代のデータ数が少ないためと思われます。
(相関係数 : 女性=0.19 男性=0.18)
◇【空腹時血糖】と【HbA1c】
最近の糖尿病のスクーリニングでは【空腹時血糖】より【HbA1c】が使われているようです。散布図の斜めに伸びた状況からも両者には相当の相関が見られてよいはずですが、女性の場合は、おもったより相関は強くないようです。女性全体では中程度、男性は強い相関が示されています。年代別でも、一部データ数が少ない年代以外では全体と同様の傾向が見られます。
(相関係数 : 女性=0.67 男性=079)
BMIと血圧 |
ご両親が高血圧であったりと、高血圧の遺伝因子を持っている人は、肥満するとほとんどが高血圧になると言われ、減量するだけで、高血圧が改善するとまで言われています。肥満により細胞が、より多くの酸素やエネルギーを求め、心肥大や血圧の上昇に結びつくそうです。
下記の通り、【収縮期】【拡張期】共に肥満(BMI)との弱い相関を示しています。【HbA1c】の場合と同様に、肥満度(BMI)の変化との関係を見るべきかも知れません。
血圧の分布や標準値については→ ○ 基準値と性年齢 : 血圧
◇【収縮期血圧】と【BMI】
女性・男性共に全体でも年代別でも弱い相関を示しています。円に近い斜め楕円の散布状況もそのことを見せています。
(相関係数 : 女性=0.37 男性=036)
◇【拡張期血圧】と【BMI】
収縮期より幾分かばらつきの大きい散布状況です。相関係数は、女性・男性共に全体でも年代別でも弱い相関を示しています。
(相関係数 : 女性=0.31 男性=036)
◇【収縮期血圧】と【拡張期血圧】
当然といえるのでしょうが、女性・男性共に全ての年代で、見事に強い相関を示しています。
(相関係数 : 女性=0.90 男性=090)
◇ 補足・参考
□ 相関係数について
相関係数は-1~+1の値をとり、マイナス側では負の相関、プラス側では正の相関となります。相関の程度は便宜上次のように言われています。
+[-] 0.7 ~ +[-] 1.0 : 強い正[負]の相関がある
+[-] 0.4 ~ +[-] 0.7 : 中程度の正[負]の相関がある
+[-] 0.2 ~ +[-] 0.4 : 弱い正[負]の相関がある
+[-] 0.0 ~ +[-] 0.2 : ほとんど相関がない
相関係数の詳細はWebに多くの情報がありますので、ご参照ください。下記[BMIと健診データ(3)]にも簡単に記述してあります。
□ [BMIと健診データ]の関連過去ポスト
○ 肥満(BMI)と脂質
-BMI値と脂質連関検査値の相関分布
http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2012-08-27
○ BMIと健診データ
-BMI値による健診データの平均標準値ボーダーグラフ
http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13
○ BMIと健診データ(2)
-BMI高値群(の人達)平均健診値と一般群平均健診値の有意差
http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20
○ BMIと健診データ(3)
-相関係数って、BMIと血圧、年代別の相関、BMIと健診データの相関係数
http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2010-05-31
![[本]](https://blog.so-net.ne.jp/_images_e/70.gif)
2013年以降の健康診断などでの表記は国際基準(NSGP)になっていますので、
ご自身のHbA1c(NGSP)値と比較される場合などは、次の換算式でJDS値に換算してご参照ください。
JDS値(%)= 0.980×NGSP値(%)- 0.245%
次の簡易換算で良いようです。
NGSP値で5.2%以下 : JDS値(%)= NGSP値(%)- 0.3%
NGSP値で5.3~10.2% : JDS値(%)= NGSP値(%)- 0.4%
NGSP値で10.3~15.2% : JDS値(%)= NGSP値(%)- 0.5%
次のURLでは値を入れると換算してくれます。
http://keisan.casio.jp/exec/system/1351125607
![[いす]](https://blog.so-net.ne.jp/_images_e/171.gif)
〇 本文中のグラフや標準値領域については次をご覧ください。
本文中のグラフの見方について
http://www.gikosha.co.jp/fig_blog/gpatalks_graph.html
標準値の領域区分について
http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2011-12-12
〇 標準値については次のURLをご覧ください。
全般
http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
基準値と標準値
http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
EBMと標準値
http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html
〇 イラストは下記のURLからフリーイラストを使わせていただきました。
http://zetia.jp/freeillustration_01.html