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肥満(BMI)と血糖・血圧 [健康診断データ]

血糖血圧.jpg一時ほどには、「肥満は罪悪である」と言うほどの雰囲気は少なくなりましたが、イヤッ、当たり前になったのかも知れませんが、過剰な肥満が好ましく無いことは間違いのないところのようです。

今回は、肥満(BMI)と健診値相関、今回は血糖と血圧関連の個々の健診項目との相関分布です。
ここでのグラフ等は、あくまでもVisualHealth.Naviの機能紹介の一環であることをご承知置きください。
統計的な見地であると共に、いずれの健診項目でも、データ(人)数の関連で年代別の相関係数は信頼度が低くなります。

BMIと血糖値

[食べ過ぎ]ることで[肥満]になり[糖尿病]を起こすという図式でしょうか。太っている人が必ず糖尿病になるわけではありませんが、「肥満糖尿病」という言葉があるほどですから、肥満と血糖値の関係はよく言われます。次の相関を見る限りは、BMIと血糖値の関係はほとんど見られません。このデータからは判断できませんが、肥満度(BMI)の変化と検査値の変化からは、異なった傾向が見られるかも知れません。
  血糖健診項目の分布や標準値については→  ○ 基準値と性年齢 : 血糖

◇【空腹時血糖】と【BMI】
円形を僅かに斜め楕円形につぶしたような散布状況です。
全体では女性が僅かに相関を示す値となりますが、男性はほとんど相関が無い散布状況です。年代別では女性の50代、男性の60代で中程度の相関が示されています。
(相関係数 : 女性=0.32 男性=0.17)
BMI_BS.jpg

◇【HbA1c】と【BMI】
横方向に固まった散布状況からも分かるとおり、女性男性共に相関は見られません。年代別男性の25才代で高めの相関が見られますが、このデータでは当該年代のデータ数が少ないためと思われます。
(相関係数 : 女性=0.19 男性=0.18)
BMI_HbA1c.jpg

◇【空腹時血糖】と【HbA1c】
最近の糖尿病のスクーリニングでは【空腹時血糖】より【HbA1c】が使われているようです。散布図の斜めに伸びた状況からも両者には相当の相関が見られてよいはずですが、女性の場合は、おもったより相関は強くないようです。女性全体では中程度、男性は強い相関が示されています。年代別でも、一部データ数が少ない年代以外では全体と同様の傾向が見られます。
(相関係数 : 女性=0.67 男性=079)
BS_HbA1c.jpg


BMIと血圧

ご両親が高血圧であったりと、高血圧の遺伝因子を持っている人は、肥満するとほとんどが高血圧になると言われ、減量するだけで、高血圧が改善するとまで言われています。肥満により細胞が、より多くの酸素やエネルギーを求め、心肥大や血圧の上昇に結びつくそうです。
下記の通り、【収縮期】【拡張期】共に肥満(BMI)との弱い相関を示しています。【HbA1c】の場合と同様に、肥満度(BMI)の変化との関係を見るべきかも知れません。
  血圧の分布や標準値については→  ○ 基準値と性年齢 : 血圧

◇【収縮期血圧】と【BMI】
女性・男性共に全体でも年代別でも弱い相関を示しています。円に近い斜め楕円の散布状況もそのことを見せています。
(相関係数 : 女性=0.37 男性=036)
BMI_BPH.jpg

◇【拡張期血圧】と【BMI】
収縮期より幾分かばらつきの大きい散布状況です。相関係数は、女性・男性共に全体でも年代別でも弱い相関を示しています。
(相関係数 : 女性=0.31 男性=036)
BMI_BPL.jpg

◇【収縮期血圧】と【拡張期血圧】
当然といえるのでしょうが、女性・男性共に全ての年代で、見事に強い相関を示しています。
(相関係数 : 女性=0.90 男性=090)
BPH_BPL.jpg


◇ 補足・参考
□ 相関係数について
相関係数は-1~+1の値をとり、マイナス側では負の相関、プラス側では正の相関となります。相関の程度は便宜上次のように言われています。
 +[-] 0.7 ~ +[-] 1.0 : 強い正[負]の相関がある
 +[-] 0.4 ~ +[-] 0.7 : 中程度の正[負]の相関がある
 +[-] 0.2 ~ +[-] 0.4 : 弱い正[負]の相関がある
 +[-] 0.0 ~ +[-] 0.2 : ほとんど相関がない
相関係数の詳細はWebに多くの情報がありますので、ご参照ください。下記[BMIと健診データ(3)]にも簡単に記述してあります。

□ [BMIと健診データ]の関連過去ポスト
   ○ 肥満(BMI)と脂質
    -BMI値と脂質連関検査値の相関分布
    http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2012-08-27
   ○ BMIと健診データ
    -BMI値による健診データの平均標準値ボーダーグラフ
    http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13
   ○ BMIと健診データ(2)
    -BMI高値群(の人達)平均健診値と一般群平均健診値の有意差
    http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20 
   ○ BMIと健診データ(3)
    -相関係数って、BMIと血圧、年代別の相関、BMIと健診データの相関係数
    http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2010-05-31


[本] ここでのHbA1cの値はJDSで表記されています。
2013年以降の健康診断などでの表記は国際基準(NSGP)になっていますので、
ご自身のHbA1c(NGSP)値と比較される場合などは、次の換算式でJDS値に換算してご参照ください。
    JDS値(%)= 0.980×NGSP値(%)- 0.245%
   次の簡易換算で良いようです。
    NGSP値で5.2%以下  : JDS値(%)= NGSP値(%)- 0.3%
    NGSP値で5.3~10.2% : JDS値(%)= NGSP値(%)- 0.4%
    NGSP値で10.3~15.2% : JDS値(%)= NGSP値(%)- 0.5%
   次のURLでは値を入れると換算してくれます。
    http://keisan.casio.jp/exec/system/1351125607

[いす]
〇 本文中のグラフや標準値領域については次をご覧ください。
   本文中のグラフの見方について
    http://www.gikosha.co.jp/fig_blog/gpatalks_graph.html
   標準値の領域区分について
    http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2011-12-12
〇 標準値については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
   EBMと標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html

〇 イラストは下記のURLからフリーイラストを使わせていただきました。
    http://zetia.jp/freeillustration_01.html
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年齢相応に健康か [健康診断データ]

善しに付け悪しに付け「人と比較」して、安心したり、ガッカリしたり、少しばかり悦に入ったリ、という事はいろいろな場面であります。このブログでよく使われる[標準化値]も少し乱暴に言えば、「人と比較」する考え方に立っているといえます。具体的には、健康の一つのバロメータである健診(臨床検査)値が、同性同年代の中で比較してどこに位置づけられているかを把握するものです。

◇ 相対値としての標準化値
基準値と性年齢 :グラフについて」でもご説明した通り、標準化(相対)値は検査(絶対)値の示す値が、同性同年代の中でどこに位置づけられるかを表しています。

分布説明.jpg

標準値が[90~110sv]であれば、
同性同年代では平均的な検査値であり、この平均群には、平均を挟んで68%の仲間がいることになります。
[85~90sv]or[110~115sv]であれば、
平均を少し外れ、それぞれに上記平均的な群[90~110sv]の外側で、この範囲にはそれぞれ1割ほど(9.5%)の仲間がいます。
[80~85sv]or[115~120sv]であれば、
前項[85~115sv]をさらに外れ、この範囲にはそれぞれ数%弱(4.0%)の仲間がいて、悪(高/低)い方から1割程度(10.5%)以内に属します。
[~80sv]or[120~sv]であると言うことは、
悪(低/高)い方から2.5%以内の仲間になると言うことです。
検査(絶対)値が基準値の中にあっても、標準化(相対)値が[115sv]以上や[85sv]以下であれば、ほとんど仲間がいないほど高い(低い)わけですから、少し注意すべきかも知れません。逆に検査(絶対)値が基準値の外でも、[85~115sv]の範囲であれば、平均的な値で、大勢の仲間がいますから統計的には心強いかもしれません。

◇ 健康ポジションを示す標準値
標準化(相対)値と検査(絶対)値は、相互に置き換わり代替する値ではありません。検査(絶対)値が、本来は病気のスクリーニングの一つとして使われるのに対し、標準化(相対)値は、健康ポジションを判断する目安だとお考えください。標準化(相対)値が[85~115sv]の範囲にポジションされ無ければ、生活習慣の改善を心がけるべきだと言えます。折角の健診(検診)データを、ご自身で理解し病気を予防するために活用できます。

下のチャート例は、現在の[LDLコレステロール]の基準値上限である検査値[140mg/dL]が、女性・男性それぞれ25歳/55歳で、どこにポジショニングされるかを示したものです。それぞれの年齢での健康ポジション[標準化値]は次の通りです。
 女性では
  25歳 122sv    55歳 101sv
 男性では
  25歳 114sv    55歳 104sv
同じ検査値でも、年齢により随分と健康ポジションが異なることが分かります。女性・男性とも55歳ではほぼ平均ですが、25歳・女性はきわめて異端な値であり、男性でも健康範囲[85~115sv]の上限ぎりぎりであることを示しています。検査値だけでは分からない事実を、理解しやすい形で知ることができます。
グラフはクリックすると別枠に拡大します
年齢相応.jpg
シニア.jpg
[目]

今の日本は[お金があるか][健康であるか]でなければ、老後を生き抜くことができない国に成り下がっています。両方持てるに超したことはありませんが、老後のある程度の[健康]は、中年期からの[注意と努力]で、多くの人が手にすることができます。今のままの政治が続けば、この先[医療格差]はますます拡大し厳しいものになりそうです。そこそこに楽しい老後は、自ら[健康]を維持し確保するしかなさそうです。


[いす]
〇 本文中のグラフや標準値領域については次をご覧ください。
   本文中のグラフの見方について
    http://www.gikosha.co.jp/fig_blog/gpatalks_graph.html
   標準値の領域区分について
    http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2011-12-12
〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
   EBMと標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html

〇 イラストは下記URLよりフリーイラストを使わせていただきました。
    http://kids.wanpug.com/top_person.html

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健康ポジション [健康診断データ]

構想1_S.jpgもはや旧聞になりますが、2014年4月にドック学会が新たな[健診値の基準範囲]を発表しました。血圧値を始めいろいろと物議を醸しましたので、ご記憶の方も多いことと思います。また、最近では、米国で行われた大規模臨床試験SPRINTの結果で、心血管疾患合併患者や後期高齢者でも「血圧値はより低い方が好ましい」という発表があったりと、私たち素人は右往左往するばかりです。

ドック学会の新たな[基準範囲]は、ドックを受けた150万人の中から、重大な既往歴がなく薬物治療や喫煙をしていない健康な成人約1万人を抽出してデータを分析したものだそうです。データとしてはそれなりに信頼できるものだと思いますが、「疾患予防を目指す基準値を定めるという姿勢がとり入れられていない」「スーパーノーマルの人はこの検査値の範囲である事を意味するものであり、専門学会がガイドラインで示している疾患判別値とは異なる。」「基準範囲は日本国民の健康に悪影響を及ぼしかねない危険なもの」・・・・等々、いろいろと賑やかでした。

◇ 健康の指標としての健診値
難しい議論は専門家にお任せするとして、私たちは健診値が自身の[健康の指標]として利用できればよいわけです。その[指標]の一つに[他人との比較]があります。「同じ世代の人と比べて、自分の健診値はどうなのだろう。年齢相応の健診値だろうか」ということです。この[年齢相応]の考え方については以前にポストしましたが、その中で[健康ポジション][健康基準範囲]について触れました。健診値の[標準化(相対)値]が[85~115sv]の範囲にポジションされれば、その健診項目から見た[健康ポジション]は[年齢相応]で[健康基準範囲]にあるとし、[80sv]以下や[120sv]以上であれば、生活習慣の改善を心がけるべきだとしました。

[他人との比較]などというと、ずいぶんといい加減な指標のように思われますが、検査基準値の考え方そのものが、「病気がなく健康な人の集団を健常者とします.その健常者の測定結果を集計すると,通常,左右対称の山型になります.このうち極端に高い数値2.5%と低い2.5%を除き,この平均値をはさんだ健常者の95%が含まれる範囲を基準範囲(基準値)として用います. 」から、その元となる考え方は同じです。

◇ 健康ポジションとと健康基準範囲
このブログで時折お目に掛ける、[レーダーチャート][ボーダーチャート]は、健診値からの[健康の指標]、すなわち[健康ポジション]をビジュアルに判定する一つとして、[健康基準範囲]の階層色を[青:90~110sv][緑:85~90sv 110~115sv]としています。この階層色内に収まった健診項目は、その健診項目だけを性年齢別に見た限りでは、[健康基準範囲]にあるだろうとしています。一般的に[検査基準値範囲]は、上限/下限を[120sv]/[80sv]に設定されますから、基準値の考えより少し厳しい設定となります。[健康基準範囲]外の階層色は、[黄:80~85sv 115~120sv][赤:~80sv 120sv~]となりますから、黄色のゾーンに入ったら要注意、食生活/運動など生活習慣を見直しましょう。赤のゾーンでは、早い時期に医師などに相談すべきかもしれません。

◇ ボーダーチャートと健康基準範囲
上述の通り、縦縞の[青][緑]部分が[健康基準範囲]になります。下のチャート例のデータでは、
血小板
検査(絶対)値では基準内ですが、標準化(相対)値による健康基準範囲では範囲外になり、
この健診値は同世代同性で少数な値といえそうです。
チャートではでプロットさます。
中性脂肪/BMI/収縮期血圧
検査(絶対)値では基準外ですが、標準化(相対)値による健康基準範囲では範囲内になり
この健診値は同世代同性で一般的な値といえそうです。
チャートではでプロットされます。
その他の健診項目
検査(絶対)値は基準内で、標準化(相対)値による健康基準範囲も範囲内になります。
チャートではでプロットされます。

ボーダーチャート.jpg


◇ レーダーチャートと健康校基準範囲
[青][緑]のリング部分が[健康基準範囲]になります。プロットされているドットの色は、ボーダーチャートとは異なり、標準化(相対)値のみの判定で、[健康基準範囲]であれば、範囲外であればでプロットされます。

レーダーチャート.jpg


レーダーチャートやボーダーチャートで見れば、[健康基準範囲]に収まっている健診項目、収まっていない健診項目がビジュアルに把握できます。また[健康基準範囲]に収まっていない健診項目がどの機能群に多いか、バランスはどうかなども簡単に見て取ることができます。

説明.jpg◇ 関連過去ポスト
   健康基準範囲
   標準値のメリット
   年齢相応 
   基準値と性年齢 : 標準値の領域区分
   VHN_ボーダチャート
   VHN_レーダチャート
 

[いす]
〇 標準値領域については次をご覧ください。
   標準値の領域区分について
    http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2011-12-12
〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
   EBMと標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html

〇 イラストは下記URLよりフリーイラストを使わせていただきました。
    http://zetia.jp/freeillustration_01.html


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健診データの男女差 [健康診断データ]

女性外来.jpg最近は【女性外来】が用意されている病院が少しずつですがでてきたようです。検査基準値に始まり治療方法まで、成人男子を基準に系統だてられてきた医療の非科学性から、ようやっと一歩前進したということでしょか。

健診データのような臨床検査値も人種・個人差とともに性差があることは古くから知られています。性差の大きい臨床検査値にはつぎのようなものが上げられています。
男性>女性
赤血球、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、プレアルブミン、ハプトグロビン、尿酸、BUN、クレアチニン、総ビリルビン、VLDL、γ-GTP、フェリチン、CPK、17-KS、17-OHCS、カテコールアミン、アドレナリン、腎機能
女性>男性
血沈、ZTT、中性脂肪、IgM、IgD、クレアチニン、GH、エストロゲン、プレグナンジオール、黄体化ホルモン、プロラクチン

検査値分布の男女差を幾つかのパターンでみてみましょう。これまでにお見せしてきた女性と男性の分布図を重ねてみると、その分布状況の違いが良く分かります。下記の分布パターンの分類は医学的な見地によるものではありません。また検査項目によっては70才以上のサンプル数が少なく歪みが考えられる場合があります。下表はパターン区分の一例と該当する検査項目およびその分布図例です。言うまでもなく分布図はVisualHealth.Naviでの作成です。(図はマウスクリックで拡大表示します)
グラフの見方は→こちら

平均値 分布幅・形状が類似
*女性に特徴点
分布幅・形状が異形
 A.
 男性>女性

 若年-中年
     -老年を通し
赤血球、クレアチニン
   
赤血球.jpg
血色素*、ヘマトクリット*
ヘマトクリット.jpg
白血球、γ-GTP
尿酸,空腹時血糖
白血球.jpg
 B.
 男性>女性

 老年では近似値
アルブミン
  
  
アルブミン.jpg
AST(GOT)、ALT(GPT)
尿素窒素、中性脂肪
収縮期/拡張期血圧
中性脂肪.jpg
 C.
 女性>男性

 老年では近似値
HDL-C
HDLC.jpg
   
 D.
 男性≒女性

 若年-中年
     -老年を通し
血小板、総たんぱく
総ビリルリン
アミラーゼ、HbA1c
HbA1c.jpg
MCV、MCH、MCHC
  
  
MCV.jpg
 E.
 男性×女性

 男性>女性
  ↓
 女性>男性
T-Cho、LDL-C
T-Cho.jpg
LDH * 
LDH.jpg
 ALP、ZTT
ALP.jpg

上図表はつぎの縦行のA~E、横列①②の組み合わせになります。
 縦行
  若年(20~39)中年(40~59)老年(60~)における検査平均値が次の場合。
   A.一貫(若年・中年・老年)して男性が高い
   B.若年・中年では男性が高いが老年では値が近似する
   C.若年・中年では女性が高いが老年では値が近似する
   D.一貫(若年・中年・老年)して男性と女性が近似する
   E.若年では男性が老年では女性が高くなる
 横列
  分布幅(標準値)や1SD、2SDの年齢パターン形状が次の場合。
   ①分布幅やパターン形状が類似している
     *は女性のパターンに特徴(特異点)がある検査項目
   ②分布幅やパターン形状が異形
図例以外の分布状況を試してみたい方は、下記のVisualHealth.Navi「判定くん」をダウンロードしてお試しください。

[目]

一般に男性の方が高いとされる総ビリルリンや女性の方が高いとされる中性脂肪・クレアチニン・ZTTなどは、このデータでは必ずしもそういった定説とは違う結果を見せています。また、AST(GOT)、ALT(GPT) 尿素窒素、中性脂肪などのように若年・中年では差異があっても老年では近似する検査項目も少なくありません。ただしこのデータのサンプル数は全体で6万人程度ですから、冒頭でもお断りしたように年代によってはサンプル数が不足し歪みが出ている可能性もあります。一つのデータ例としてご覧ください。

[いす]
〇 本文中のグラフや標準値領域については次をご覧ください。
   本文中のグラフの見方について
    http://www.gikosha.co.jp/fig_blog/gpatalks_graph.html
   標準値の領域区分について
    http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2011-12-12
image01M.jpg〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
   EBMと標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html
〇 性年齢に応じたご自身の健康ポジションの判定
   検査値からご自分の健康ポジションを算出してみたい方は
   次のURLからVisualHealth.Naviの「判定くん」をダウンロードしご試用ください。
     http://www.gikosha.co.jp/support/download.html
〇 イラストは下記URLよりフリーイラストを使わせていただきました。
    http://hospital-illustration.com

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基準値と性年齢 : 尿素窒素 [健康診断データ]

腎機能,腎臓の排泄機能の指標をみる時に、【クレアチニン】と同時に検査をすることが多い【尿素窒素】です。【尿素窒素】はデディケートな検査項目なようで、検査当日の食事内容、前日などの激しい運動、服用薬、下痢や嘔吐、発熱などによっても、高めの値が出るなどがあるようです。今日はその【尿素窒素】の基準値と性年齢についてみてみます。
標準値分布や算出は、言うまでもなく[VisualHealth.Navi]によります。

◇ 検査値の分布
女性・男性ともに年齢とともに、年齢とともに平均値が上昇し、ばらつきも大きくなっています。オーソドックスできれいな分布といえるでしょうか。
グラフの見方は→こちら
尿素窒素_標準値.jpg


◇ 基準値と性・年齢
グラフは、【尿素窒素】の検査基準上限値[22]が、各年代で示す標準値をプロットしたものです。縦軸上限を、今回は標準値[130]としています。通常は[125]とすれば十分にグラフが収まるのですが、【尿素窒素】では、女性の若中年層で値が異常に大きくなってしまいました。若中年女性では、100~数百人に1人の値が上限基準値となっている訳です。基準値の設定は、統計的に96%領域([120]:100人に2人)とされますが、ことこの場合は、全く当てはまらないようです。
グラフの見方は→こちら
尿素窒素_標準値2.jpg


◇健康ポジション上限[標準値115sv]での健診値
グラフは、健康管理として望ましとされる標準値[115]を示す、各年代での検査値をプロットしたものです。男女ともに60代以前は、現在の検査基準値[22]より、かなり低い値を示しています。
グラフの見方は→こちら
尿素窒素_115.jpg

[目]

【尿素窒素】の検査値は、単独で使われるより【クレアチニン】などに補完して使われることがおおいようです。検査値に一喜一憂することは無意味ですが、ご自身の検査値が、同性同年代の中で、どの程度の位置にあるかを知っておかれと、健康管理に役立つと思います。
腎臓の機能状態を知るには、【クレアチニン値】を元に、腎臓が何%機能しているかを推定する「腎臓機能の評価推算式:eGFR式」があります。(年齢性標準値:クレアチニン
腎臓の疲れ具合が気になる方は、参考になさってください。


[いす]
〇 標準値については次のURLをご覧ください。
概要
  http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2010-07-20
 全般
  http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
 基準値と標準値
  http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
 EBMと標準値
   http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html


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標準値 [健康診断データ]

VisualHealth.Naviの標準値は、検査データの性別年令別に見た平均値を基準として、その人の検査値がどの程度に離れた(外れた)位置にあるかを示しています。検査項目に拘わらず平均値の場合を【100 】としますので、標準値が【100 】に近いほど、性別年令別に見た平均値に近いことになります。1標準偏差分を【10 】とし平均の【100 】に加減されますので、平均を挟みあなたの標準値までにどの程度の仲間がいるかが分かります。
標準偏差はデータの分布の広がり幅(ばらつき)をみる一つの尺度です。平均値と標準偏差の値が分かれば、データがどの範囲にどのような割合で散らばっているか(分布) がある程度明らかになります。図のような平均値を中心に左右対称の釣り鐘型の分布 (正規分布) では、平均値と標準偏差(SD)及び度数の間に次の関係が成り立ちます。
a. 80~120(±2×標準偏差)の領域
95%の人が含まれます
 この値より高い(低い)人は2.5%(50人に1人)しかいません
b. 85~115(±1.5×標準偏差)の領域
87%の人が含まれます。
 この値より高い(低い)人は6~7%います
c. 90~110(±1×標準偏差)の領域
68%の人が含まれます
 この値より高い(低い)人は16%います
stnd.jpg

[目]

標準値が120以上か80以下であるということは、性年齢別に見て5%以下(上下ではその半分2.5%以下)のグループに属することになりますから、あまり一般的ではないことを示唆しています。上図ではグラフの中の面積を人数の割合と考えてください。80以下、120以上の部分の占める面積が極めて小さいことが分かります。面積全体を100人と仮定すれば、標準値120以上の検査値の人は2人程度しかいないということになります。

検査値を標準値で表すことの大きなメリットは次の4つです。
  1. 性年令に応じた検査値のポジションを知ることができる
  2. 検査項目に共通の判断指標で分かりやすい
  3. 検査値やその変化が示す意味・重大さが理解し易い
  4. 検査項目を越えた比較ができる
これらのメリットについては、また別の機会にお話しいたします。[手(パー)] 


[いす] 
〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
   EBMと標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html

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健康寿命 [健康診断データ]

夫婦.jpg最近は[健康寿命]なるワードを時々見かけます。
厚労省の定義によれば、[健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間]ということだそうです。今回は[健康寿命]に関するクリッピングです。グラフ等は下記情報源のデータを基としています。詳細と正確さを求める場合は情報源をお訪ねください。

◇ 寿命の10~15%は要介護や寝たきりの状態?
この[健康寿命]、「2013年国民生活基礎調査」「2013年簡易生命表」による算出では、女性[74.21歳]、男性[71.19歳]になるそうです。昨2013年の平均寿命は女性[86.61歳]男性[80.21歳]ですから、女性では12.4年、男性では9.02年は健康でない、寝たきりや介護を必要とする期間があるということのようです。欧米諸国でも、7年前後と言いますから、数字の上辺だけを見れば、我々の健康管理や政策にいささか問題があるように思います。グラフは女性・男性別にみた、平均寿命/健康寿命、年数差(平均-健康)、年数比(健康/平均)です。

健康寿命M.jpg

平均寿命/健康寿命共に延びていますが年数差/年数比はほとんど上がったり下がったりとあまり改善されていないようです。女性の方が男性より平均寿命が長い分、年数差が大きくなるのはやむを得ませんが、年数比(健康寿命/平均寿命)も悪いのは少し気になります。

◇ 健康寿命を延ばすには
[健康寿命]を脅かす4つの機能低下は早ければ30代からの生活に関わってくると言います。
   ▽ 予備力の低下:無理がきかない
   ▽ 回復力の低下
   ▽ 防衛力:免疫力や抗ストレスの低下
   ▽ 適応:変化への対応力の低下
これらが気になり始めたら要注意とか・・・。

では[健康寿命]を伸ばすためにはどうすればいいのでしょう。
   〇 適度な軽い運動
   〇 規則正しくバランスの良い食事
   〇 免疫力や自律神経をアップする笑い
   〇 日常に興味関心をもち些事にも感動
これらを称して[テクテク・カミカミ・ニコニコ・ドキドキ]というそうです。

◇ 情報源・出典
   2013年国民生活基礎調査
    http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/
   2013年簡易生命表
    http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life13/
   健康寿命も延びているか
    http://www.nli-research.co.jp/report/letter/2014/letter140806.pdf


[目]

私の祖母は、昼に散髪をし、夕方には孫(といっても成人)に風呂に入れてもらい、こたつで曾孫達とテレビを見ながら息を引き取りました。まさに寿命そのものが健康寿命だった人です。働き者で何かせずにはいられず、好き嫌い無く食べ、いつも笑顔で穏やかな、孫や曾孫もと良くしゃべる、思えば[テクテク・カミカミ・ニコニコ・ドキドキ]を絵に描いたような祖母でした。


[いす]
〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
   EBMと標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html

〇 イラストは下記URLよりフリーイラストを使わせていただきました。
    http://kids.wanpug.com/
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糖尿病とコレステロール [健康診断データ]

ドックや健診などで、「血糖値が引っかかったよ」と話している人は多いですね。私の周りにも何人かいます。国民健康・栄養調査(平成19年)によれば、[糖尿病が強く疑われる人は890万人][糖尿病の可能性を否定できない人は1,320万人]、両者を合わせると[2,210万人]、40代では16%、50代19%、60代では41%もの人が糖尿病の有病者か予備群ということになるそうです。

さて、まさに国民病といえる糖尿病、中でもその95%をしめるという2型(非インスリン依存)型糖尿病の原因の一つに、食生活の欧米化で脂質や肉の摂取量が増えたことがあるとされています。今回は、[肉][卵][コレステロール]の摂取と糖尿病の発症リスクに関するドキュメントからのクリッピングです。グラフ図は情報源より引用転載させていただきました。レイアウトの都合で一部編集してあります。詳細と正確さを求める場合は情報源をお訪ねください。


◇ 肉類の摂取と糖尿病発症リスク
-男性では肉類の摂取が多いとリスクが高くなる-

女性では肉類摂取と糖尿病発症との関連はみられなかったが、男性では肉類全体の摂取量が多いグループ(約100g/日以上の群)で、摂取量が最も少ないグループに比べ、糖尿病のリスクが1.36倍と発症リスクが高くなった。
糖尿発症リスク_肉.jpg
肉の種類による関連においては、女性では、いずれの肉類についても糖尿病発症との統計学的に意味のある関連はみられないが、男性において、赤肉(牛肉・豚肉)の摂取は糖尿病リスク上昇と関連していた。加工肉(ハム・ソーセージなど)および鳥肉の摂取は糖尿病リスクとの関連はみられなかった。(グラフ転載省略:情報源参照)

グラフで摂取量に応じた発症リスクは、摂取がもっとも少ない群での発症リスクを[1]とした場合のオッズ比で表しています。

*オッズ比
オッズ比が1とは、発症の可能性が基準群で同じということであり、1より大きい場合は、発症の可能性が基準群でより高く、1より小さい場合は、基準群より発症の可能性が低いことを意味します。(以下グラフも同様)


◇ コレステロールの摂取と糖尿病発症リスク
-女性・男性ともに摂取量とは無関係-

男女ともにコレステロールの摂取量が多いグループ(約400mg/日以上の群)で、糖尿病発症リスクは上昇していなかった。むしろ、統計学的に有意ではないものの、女性では摂取量が最も少ないグループに比べ最も多い群では糖尿病のリスクは23%低くなっていた。
糖尿発症リスク_コレ.jpg
女性において閉経の有無別に分析をしたところ、閉経後女性においてコレステロールの摂取は糖尿病リスク低下と関連していた。しかし、閉経前女性では糖尿病リスクとの関連はみられなかった。(グラフ転載省略:情報源参照)


◇ 卵の摂取と糖尿病発症リスク
-女性・男性ともに摂取量とは無関係-

男女ともに卵の摂取量が多いグループ(1日に卵1個以上摂取する群)で、糖尿病発症リスクは上昇していなかった。統計学的に有意ではないものの、女性では摂取量が最も少ないグループに比べ最も多い群では糖尿病のリスクが18%低くなっていた。
糖尿発症リスク_卵.jpg

◇ 情報源・出典
  肉類摂取と糖尿病との関連について
  コレステロールおよび卵の摂取と糖尿病との関連について
   国立がん研究センター 予防研究グループ
   http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3290.html
   http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3460.html
        URLリンク確認2014年10月


[いす]
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喫煙と健診値 [健康診断データ]

喫煙2N.jpg最近、ハーブなど危険ドラッグに関する事件が多発しています。タバコにも程度の差はあれ依存症がありますが、危険ドラッグや覚醒剤などのような、幻覚・幻聴・凶暴性などの精神的な毒性はないそうです。

チェーンスモーカであった友人は、禁煙・節煙を勧められると声高に「タバコを吸って、人様に害を及ぼす事件を起こしたやつは古今東西いないのだから、ほっといてくれ」とよく言っていました。[あった][いました] と過去形になっているのは、十数年前でしたか、受動喫煙の害が問題視されるようになってからは、少しその喫煙量と反論のトーンが落ちたためです。タバコを吸いたくなるとそっと立ち上がり、喫煙室や喫煙ゾーン、時には外でタバコを吸う彼を見ると、ちょっと気の毒にすら感じます。受動喫煙の配慮をしても、自身への害は避けることはできません。昔に比べるとタバコもずいぶんと高くなったようです、私のように少ない小遣いの場合はその配分から見ても、喫煙を止めるにこしたことはなさそうです。

タバコの健康への害は、いろいろな場面で言われていますが、たとえば、1日2箱以上タバコを喫煙する方は、喫煙しない方に比べ、脳卒中死亡に及ぼす相対危険度は2倍強、虚血性心疾患死亡では4倍だそうです。1日1箱以内でも共に1.5倍と言いますので、少なければ大丈夫とはいきません。
タバコ360.jpg
喫煙習慣の虚血性心疾患死亡に及ぼす影響 (NIPPONDATA80)
男性3,972 人、調整相対危険度 (年齢、収縮期血圧、BMI、層コレステロール、飲酒、糖尿病を調整)

さて本題、前回の[飲酒と健診値]に続き、今回はタバコが健診値にどのような影響を及ぼすか、Web上のドキュメントからのクリッピングです。詳細と正確さを求める場合は情報源をお訪ねください。

喫煙者と非喫煙者の検査値の差
喫煙による検査値への影響を調査した下記の情報源に、「喫煙群と非喫煙群の各種臨床検査項目の測定値(平均値±標準偏差)の有意差検定(Studentのt検定)」がありましたので、その一部を転載します。
タバコP値.jpg

  p値は喫煙群、非喫煙群の両群の検査値が等しい確率を表します、
  p<0.05 :両群が等しい確率が5%以下  p<0.001:両群が等しい確率が1%以下
  p<0.001:両群が等しい確率が0.1%以下 

有意差からみると
喫煙者は非喫煙者に比べて、次の検査項目で健診値に有意差がみられたそうです。

 男性では
  増加 : [白血球][MCV][MCH][ALP]
  減少 : [総コレステロール][尿酸][血圧値]
 女性では
  増加 : [ヘモグロビン][ヘマトクリット][MCV][MCH]
  減少 : [拡張期血圧]

喫煙量の影響
有意差を認めた検査項目につき,1 日の喫煙本数を20本未満と20本以上に分けて比較した結果,次の検査項目で喫煙量との関係が認められたそうです。

 男性では
   [白血球][MCV][MCH][拡張期血圧]
 女性では
   [ヘモグロビン][ヘマトクリット][MCV][MCH][拡張期血圧]

情報源・出典
  喫煙と飲酒の臨床検査値に及ぼす影響
   -特に喫煙と飲酒の交互作用について-
   東京女子医科大学雑誌, 65(12):1068-1079, 1995
   楽得康之
   http://ir.twmu.ac.jp/dspace/bitstream/10470/11689/1/6512000003.pdf
  飲酒および喫煙の臨床検査値に及ぼす影響
   日本人間ドック学会誌 1989年7月
   国立久留米病院 宇津典彦 他
   https://www.jstage.jst.go.jp/article/ningendock1986/3/1/3_109/_pdf
URLリンク確認は2014年9月  


[目]

飲酒の場合同様に喫煙と検査値の関係をVisualHealth.Naviの機能でお見せできないのが残念です。飲酒でもお話した通り、私どもが使用できる検査値データでは、飲酒・喫煙のプロファイルデータが整備されていません。この手のデータ整備では、いつも個人情報が声高に叫ばれますが、この種のデータで、個人を特定したり侵害できないようにすることは、さほど難しいことではありません。有効なビッグデータが、一日も早く広く使えるようになることを願います。


[いす]
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飲酒と健診値 [健康診断データ]

飲酒習慣が検査値にどのように影響を及ぼすかを、少し整理して見たいと思い、書籍やWebをチェックしましたが、あまりデータが見当たりませんでした。といっても酒飲みとしては気になることですので、2つのドキュメントから[飲酒と健診値]に関する部分のクリッピングです。

◇ 飲酒習慣レベルと脂質関連検査値への影響

グラフは[BMI][中性脂肪][HDLC][総コレステロール]の検査平均値です。
・ほとんど飲まないまたは飲んだことが無い(0)群の平均値を1として、
wsk.jpg 各群の0群との比を見ています。
・各群の区別は次の通りです。
 0群:ほとんど飲まないまたは飲んだことが無い
 Ⅰ群:以前は時々飲んだが、現在はほとんど飲まない
 Ⅱ群:以前はほとんど毎日飲んだが、現在はほとんど飲まない
 Ⅲ群:時々飲む
 Ⅳ群:ほとんど毎日飲む
グラフをクリックすると別枠に拡大表示します
酒と検査値M.jpg

情情報源における[脂質値と飲酒の関係]を次のように考察しています。
  1. 脂質値と飲酒との関連ではアルコール飲酒はHDLC と正の,TG とは弱い正の関係がある。
  2. 適度な飲酒は主として,HDLC の上昇を介して動脈硬化を抑制する効果が推測されており,冠動脈疾患の発牛を減少させるとされる。
  3. 本調査では,男性では血中脂質値・BMI に有意差は認められなかったが,アルコール多飲者には喫煙者も多い傾向から,喫煙のHDLC 低下作用や同時に存在する他の因子が負の方向に働いたために,飲酒の影響が数値として出なかったと考えられる。
  4. 女性では毎日飲んでいる方にHDLC が高い傾向がみられた。

このグラフから、飲酒レベルと脂質関連検査値との間に、何かを読み取るのはなかなかに難しそうです。このデータの情報源となるドキュメントは、飲酒を始め喫煙、食事、運動などの生活習慣と脂質系検査項目との関連を調べたものです。データサンプルは男性1500、女性700ほどあるようですが、飲酒習慣のⅠ、Ⅱ群のデータ数は3%以下で、平均値を使うには異常値などによる影響も大きいのかも知れません。強いて見れば、飲酒によって[HDLC]は上昇、[中性脂肪]は幾分下降する傾向があるということでしょうか。まあ、酒飲みの私には都合の良い結論ではあります。

◇ 飲酒が影響を及ぼすと思われる検査項目

別のドキュメントでは飲酒が影響を及ぼす検査項目として、次の項目をあげています。このドキュメントにはタバコの影響についても触れています。詳細はまた機会があれば見てみたいと思います。
以下に飲酒の影響があるとした検査項目は、当該ドキュメントで検証対象とされた検査項目の中でその影響が認められたものです。具体的には共分散分析の結果、飲酒との関連がみとめられ、有意性が高く、かつ、年代毎にみてもほぼ相似の関係を示した検査項目だそうです。
    P<0.001
    赤血球数/MCV/MCH/ALP
    P<0.01
    GOT/GPT/収縮期血圧/拡張期血圧
    P<0.05
    白血球数/ビリルビン/TTT/クレアチニン
 
◇ 情報源・出典
データ類はWeb上に公開された論文等を主体としています。私とって都合のよい部分を引用していますので、詳細時と正確さを求める場合は情報源をお訪ねください。

  生活習慣の脂質検査値に及ぼす影響
   東京女子医科大学雑誌 第71巻
   東京女子医科大学医学部衛生学公衆衛生学教室
   北川豊子 堤亜樹子 香川順 野原理子
   http://ci.nii.ac.jp/naid/110007526493

  飲酒および喫煙の臨床検査値に及ぼす影響
   日本人間ドック学会誌 1989年7月
   国立久留米病院 宇津典彦 他
   https://www.jstage.jst.go.jp/article/ningendock1986/4/1/4_68/_pdf  


[目]

VisualHealth.Naviでも飲酒・喫煙習慣などのプロファイルでグループ化し、検査平均値や検査値相関関係、有意差などを検証する機能があります。ここでその機能をお見せできないのは、プロファイルの整備された臨床(健診)検査値データが手元に無いためです。いかに機能を整備してもデータがなければ無用の長物、役には立ちません。飲酒と検査値への影響については、またよいデータがあれば再ポストさせていただきます。

厚労省も平成19年の段階で「健診情報を管理するデータベースの整備について」平成22年には目途を立てるとしていたように記憶していますが、さて、どうなったのやら。

情報源には、我々酒飲みには都合の良い一節がありましたので、最後に引用しておきます。
飲酒量と疾病に関しては,飲酒量が日本酒換算で毎日約2合(アルコール20g)を超えると脳卒中発生率が上昇することが報告されている.一方,飲酒習慣を持つ者は持たない者に比較して,虚血性心疾患死亡率の相対危険度が低く,全死因でみた死亡率も低い傾向があり,逆に禁酒した者ではむしろ死亡率が高くなっている.

従って,飲酒を推奨するものではないが,「節度ある飲酒」習慣であればむしろ脳卒中などの保護要因となりプラスの面が現れる.適正飲酒の基準としては週5日以下,1日約1〜2合としている.

ストレス・悲観度が高いほど多量飲酒群の割合が高い傾向があるが,人生を悲観せず,ストレスをうまく管理し,正しい生活習慣を実践することが,毎日飲酒でも多量飲酒につながらないことを報告している.多量飲酒者や飲酒の増加傾向のある者に対しては悩みやストレスの把握が多量飲酒習慣を是正する糸口になる可能性があると考える.


[いす]
〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
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生活習慣とガン発生確率 [健康診断データ]

がんとの関連が重要視されている[喫煙][飲酒][食事][身体活動][肥満度]の5つの生活習慣とその組み合わせを実施することで、10年間でがんを発生する確率が低下するそうです。詳細と正確さを求める場合は情報源をお訪ねください。

ますは5つの生活習慣、[非喫煙][節酒][塩蔵品を控える][活発な身体活動][適正なBMI]とはどういう定義なのかを見てみます。
 (1) 非喫煙 
過去喫煙は含みません
 (2) 節酒  
エタノール換算で 150g/週未満 
  日本酒1合 → 23g  6.5合/週以内
  ビール500ml →20g 7.5本/週以内
 (3) 塩蔵品を控える
0.67g/日未満 
 (4) 活発な身体活動
女:31.9メッツ・時/日以上 
男:37.5メッツ・時/日以上
・典型的な主婦の活動 31.4メッツ・時/日
  筋肉労働や激しいスポーツ:なし、座っている:3時間以下、
  歩 いたり立ったりしている:3~8時間 の活動量
・活発な身体活動をする会社員 37.5メッツ・時/日
  1日に筋肉労働や激しいスポーツ:1時間以上、座っている:8時間以上、
  歩いたり立ったりしている:1時間未満 の活動量
 (5) 適正BMI 
女:19-25
男:21-27

◇ 生活習慣とその組み合わせによるがん発生の確率比

ここでは情報源データを基に、男女別に5つの生活習慣とその組み合わせを注意実施した場合のがん発生確率を、いずれにも注意を払わない場合と比べてみます。比較は男女ともに「いずれもなし」の場合に10年間でがんを発生する確率を[1]とし、それぞれの生活習慣や組み合わせでの発生確率の比を見ています。情報源データは45歳から70歳まで年齢別に発生確率が掲出されていますが、年齢により発生する確率の絶対値は異なりますが、確率比の違いはほとんど無いため、ここでは年齢全体での平均としました。それぞれの基となる数が異なりますので、男女間でその値を比較することはできません。
画像クリックで別枠に拡大表示します
発生確率比.jpg

5つの生活習慣の中、単独では男女ともに非喫煙が効果的なようです。生活習慣での注意実施の組み合わせが多いほど発生確率は下がり、全ての生活習慣に注意した場合はいずれもしない場合に比べ、男女ともに半分程度の発生確率になるようです。

◇ 生活習慣とその組み合わせによるがん発生の確率_性年齢別

実践している健康習慣とその後10年間で発生するがんの確率を男女別に示した情報源のデータです。がんは加齢によっても増えますし、同じ習慣でも若いころはがん発生確率が低く年齢とともにその確率は増えてしまいますが、生活習慣の注意実践を上手に行うことで、加齢によるがん発生確率の増加をある程度はコントロールできるようです。
生活習慣と発生確率.jpg

◇ 情報源・出典
   5つの健康習慣とがんのリスクについて
    国立がん研究センター 予防研究グループ
    http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3348.html
    上記表以外の生活習慣組み合わせによる確率は情報源に示されていますが → こちら
        URLリンク確認2014年9月


[目]

長女が生まれる前から長いことタバコはやめているし、BMIはギリ基準の中、昔に比べれば随分と節酒しているし、活発な身体活動には程遠いが、まあまあということにしておきましょう。

[いす]
〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
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   EBMと標準値
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健診データの個性 [健康診断データ]

腹囲.jpg「特定(メタボ)健診は、人間の個性であるはずの体型を義務化しようとし、憲法違反である。」「ある種のパワーハラスメントだ」、といった議論がありましたが、その後どうなったのでしょう。特定健診の概要が公表された当初、個性豊かな体型の私も、「腹囲」が幾らあろうと余計なお世話だと思ったものです。

個性は体型にかぎりません。コレステロールや血圧値といった検査データにも個性はあります。そもそも検査基準値というのは、統計から決めた値ですから、極論すれば、ほとんどの人にフィットしない値だと言うこともできそうです。

少し乱暴な話しになりましたので、軌道修正しましょう。私の家庭医であった先生は、血液検査やドックのデータが出る度に、前回、前々回、数年前のデータと比較をしながら、診断をくだしてくださいました。基準値をちょっとばかり超過していても、「いつもこんなもんだね」の一言、逆に基準値の中でも「だんだん上がり傾向になってきているね。食事と酒、少しコントロールしろよ。」とお叱りを受けます。

消化器内科の権威でもあった老先生は、【個性値】すなわち私の【個人の基準値】を過去のデータの中から見いだし、検査結果を判断してくださっていたわけです。健診データは時系列に集積することにより、【集団の基準値】では見落とされていた僅かな変化を検出することができます。よく知られたことですが、実践している家庭医は必ずしも多く無いのが実情です。老先生が引退され寂しい限りです。

VisualHealth .Naviには折れ線グラフを始め、散布図、ボーダーグラフ、マルチ散布図、メタボリック判定、階層化などの時系列表示があります。ここでは散布図とメタボリック判定時系列をご紹介します。

◇ 時系列:散布図
時系列_散布図.jpg

◇ 時系列:メタボリック判定
時系列メタボ.jpg

 

◇ 時系列:検査(絶対)値と標準(相対)値
次のグラフは20歳から5歳刻みの検査値をプロットしたものです。検査絶対値は年々はっきりと上昇していますが、性年齢を考慮した標準(相対)値では、全年齢でほとんど平均を推移しています。
左:検査(絶対)値      右:標準(相対)値
時系列折れ線.jpg

[目]

臨床検査値の推移を見るに、性差、年齢差、個人差(個性)をどう判断するのか、医師の実力とセンスが求められそうです。「新たな勉強をできなくなったときが、現役を退くとき。新しい薬が幾つもでてくるから、頭に入っちゃいないよ」、診察時はいつもデスクの上に[医薬品事典]を置き、少しでも気になると患者の前でも躊躇いなくチェックされていた、老先生の姿勢を肝に銘じたいと思います。


[いす]
〇 標準値については次のURLをご覧ください。
概要
  http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2010-07-20
 全般
  http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
 基準値と標準値
  http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
 EBMと標準値
   http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html

〇 イラストは下記URLよりフリーイラストを使わせていただきました。
   http://www.emin.jp/
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ヘルスナビ_Health.Navi [健康診断データ]

説明S.jpg健康診断などでの検査基準値は、成人の平均±2標準偏差内を正常値として考えたことからスタートしています。ほとんどの検査項目は男女、年齢に共通した一律の数値で、その問題点が以前から指摘されています。

また、メタボリックシンドローム判定では、基準として腹囲を利用することにまたその値(女性 ≥ 90cm、男性 ≥ 85cm)についても疑問とされてきました。基準値はまさに健康の判断基準ともなるもですから、少しでも的確であることが望まれます。

  「性別年齢別を無視しての判定基準に問題はないか」
   http://www.yakuji.co.jp/entry92.html
  「日本のメタボリック・シンドローム診断基準の統計的問題」
   https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbhmk/35/2/35_2_177/_pdf

年齢にかかわらず一律の基準値の下では、高齢者に若い人と同じ基準値を適用すると、異常と判定される人が増えるなどの心配もあるわけです。、では実際に性年齢を考慮すると、どの程度に判定が違ってくるのか、保健指導における階層化判定の様子をVisualHealth.Naviで見てみます。



◇ 現在の判定方式
まず最初は現在の判定方法によるチャートです。腹囲による肥満、血圧、血糖でリスクとカウントされ、「積極支援」対象者と判定されました。
std01.jpg
検査値などのデータです。検査値は 検査値(標準値) で表示されています。
std012.jpg


◇ 標準値の利用(リスクカウント:平均±2標準偏差の外)
同じデータを今度は、何かと問題とされている腹囲ではなくBMIを利用し、検査項目は性年齢を考慮した標準値で判定してみます。冒頭の正常範囲の考え方からリスクを平均±2標準偏差外とします。チャートの通り、BMIでは肥満と判定されず血圧、血糖のリスクカウントもなくなり、階層化は「積極支援」から「動機付け」を飛ばして「情報提供」にかわりました。チャートは省略しましたが、平均±1.5標準偏差の場合も同様にリスクカウントがゼロです。
std02.jpg


◇ 標準値の利用(リスクカウント:平均±1標準偏差の外)
性年齢別でありながら、リスクカウントが平均±2標準偏差の外とするのでは緩やかすぎるとも思いますし、予防の観点からも、リスクカウントをかなり厳しく平均±1標準偏差の外としてみます。BMIによる肥満判定はそのままです。検査項目のリスクに血糖ではなく脂質がカウントされました。階層化は「情報提供」です。
std03.jpg

[目]

このチャートから2つの単純な疑問・問題点が指摘できます。
第1の問題点
リスクの項目として現在の方式では血圧、血糖がカウントされ、性年齢を考慮するとカウントされないという判定の差異。
第2の問題点
厳しく判定した場合の標準値(1SD外)でも、血圧、血糖ではなく脂質がカウントされ、注意すべき対象リスクが異なるという判定の差異。

保健指導なのですから、健康のためには何に注意すべきかを的確に導いて(ナビゲート)して欲しいですね。この例は保健指導の階層化の場合ですが、メタボリックシンドローム判定などで同じような様な結果となり、現在の基準値と性・年齢別の標準化値を利用した場合では、メタボリック判定とともに注意すべき検査項目が変わるなどの状況がおこります。

メタボ判定.jpg



[いす]

〇 本文中のグラフや標準値領域については次をご覧ください。
   本文中のグラフの見方について
    http://www.gikosha.co.jp/fig_blog/gpatalks_graph.html
   標準値の領域区分について
    http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2011-12-12
〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
   EBMと標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html
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基準値と階層化判定 [健康診断データ]

分からない.jpg2014年4月に日本人間ドック学会と健保連が発表した「新たな健診の基本検査の基準範囲 150万人のメガスタディー」が、[基準値が緩和される][基準値が変わる]として新聞やテレビ等で報道されたのは記憶に新しいところです。GPA Talksでも[健康基準範囲]と題し話題としました。

この[新基準値]の発表報道の影響は少なからずあったようで、日経メディカルの調査によれば、3人に1人の医師が「健康診断の“基準範囲”に関する報道で影響を受けた患者がいた」としていたそうです。その内容は、[診療方針に対する質問を受けた][診療方針に対して異議を唱えられた][服薬や治療をやめたいと要望された][服薬や治療を勝手に中断してしまった]などだそうです。服薬や治療を勝手に中断するのはいけませんが、医師任せの診療から、診療内容を自身で理解し管理する、本来あるべき姿への良いきっかけになったのかもしれません。

この[新基準値]発表報道に対し、基準値を[147/94mmHg]とされた高血圧学会を始め各学会が躍起になって反論、当事者のドック学会も補足説明を繰り広げるなど、実に興味深いものがありました 。国民の健康を心配してのことか、製薬会社からの付け届けが減ることを心配してなのかは存じませんが、日頃とは打って変わった素早い対応には驚きました。何事にもこのスピード感があるとありがたいのですが・・・。下図のポスターは、今回の[新基準値]報道に関連し、ドック学会、高血圧学会が患者説明用として公表したもの。
日本ドック学会 日本高血圧学会
ドック学会説明.jpg 高血圧説明_2.jpg
転載元URL (1)
転載元URL (2)
転載元URL (3)
転載元URL  


さて、前置きが長くなりましたが、今回は基準値による判定への影響をVisualHealth.Naviで見てみます。

◇ 階層化の判定
kaiso.jpg

上図は特定健診における階層化の判定をグラフ表示したものです。厚労省の定めた判定基準により階層化をした場合です。

836人のデータの内、肥満区分A(腹囲 M<85:F<90 かつ BMI M<25:F<25)の肥満非対象者を除いた234名について階層化をすると、【積極支援】103名、【動機付け】98名、【情報提供】21名となります。(差の12名〔234-222〕分は階層化のために必要な検査項目値が不足している受診者です)

◇ 性年齢による判定
さて同じデータを視点を変えてみてみます。
悪評この上ない【腹囲】を採用せず【BMI】のみで肥満区分を判定し、検査値での判定は性年齢別の標準値を利用します。各検査値の判定はここでは少し厳しく標準115以上(HDL-Cは85未満)を採用します。

結果は下図に示すとおり、肥満対象者は92名と半分以下、階層化では【積極支援】8名、【動機付け】28名、【情報提供】50名となります。(ここでも肥満対象者92との差6名〔92-86〕分は階層化のために必要な検査項目値が不足している受診者です)

上述の判定方法に比べ【積極支援者】は10分の1以下に、【動機付け】対象者数を合わせても数分の1になります。保健指導上、問題となる対象者が激減するわけです。基準値の考え方や取り方で大きく変ってしまう一例です。
kaiso_SD.jpg


[目]

日本ドック学会が発表した新しい基準値における一連の騒動、落としどころは、「今回の“基準範囲”はあくまで、自分で健康と思っている人たちの現時点の値。将来的に心臓や脳などの病気になる確率が高いことを示す基準値とは異なるもの」ということのようですが、[基準値]そもそもの定義から考えると、いささか合点のいかない話とも思えます。もちろん追跡コホートにより、将来の病気発症の確率を踏まえた診断基準値が確立できれば、それに超したことはありませんが、現状のデータ整備と蓄積の状況ではまだまだ時間の掛かることだろうと思います。だからこそ、現在の基準値が定義されている訳ですから、もう少しすっきりとさせてほしいと思います。

的確な視点は何か EBM(Evidence-Based Medicine:科学的根拠に基づいて診療方法)が言われて久しいですが、単に「科学」ばかりでなく、「根拠」の妥当性についても議論する必要が高そうです。

それにしても、高血圧学会の説明用ポスターは、表現が些か意図的というよりも恣意的で感情的な雰囲気を感じます。、冷静さや論理・科学性を失った議論や反証は子供じみて見苦しいことを忘れないでほしいところです。


[いす]
〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
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茶話_定着するかなフレイル [健康診断データ]

ウオーキング_80.jpg高齢になって筋力や活力が衰えた段階を[フレイル]と言うそうです。フレイルは虚弱を意味する英語[frailty]を語源とし、健康と病気の中間[未病]の段階だと言います。ある調査では、65歳以上の11%が該当するとか。

日本老年医学会の狙い通りに、[フレイル]という言葉が[メタボ]並に一般化するかはさておいて、時間的余裕の差はあれ、[高齢]はだれにとってもほぼ確実に訪れます。幸いなことに[フレイル]の概念によれば、健康(nofrailty)⇔ フレイル(frailty)⇔ 身体機能障害(disability)の過程は一方的でなく可逆的で、予防や治療が可能であるといいます。しかし、[フレイル]そのものは可逆的でも、それによって引き起こされるさまざまな疾病や機能障害は、必ずしも可逆的とは言えそうにありません。[高齢者]であればもちろん[高齢者予備群]のうちから対策を講じておくに越したことは無さそうです。

◇ チェックリス
まずは[フレイル]のチェックリストです。

チェックリストⅰ
次の項目で該当する項目が3つ以上であればフレイルの疑いがあるそうです。
   体重減少(1年間で2~3kg以上減少)
  疲れやすい(最近は以前より疲れやすい 等)
  筋力/握力の低下(買物で2㍑のペットボトルを運ぶのが大変になった 等)
  歩行速度の低下(横断歩道を青信号の間に渡るのが難しくなった 等)
  身体の活動レベルの低下(最近、趣味のサークルに出かけたりしなくなった 等)

チェックリストⅱ(簡易版)
次の項目で該当する項目が2つ以上であればフレイルの疑いがあるそうです。
下記の[起立]を試してみる場合は、転倒などに十分気をつけてください。
   体重(2年間で5%以上減少)
  起立(手など上肢を使わず椅子から5回連続して立ち上がれない)
  活力(最近活気にあふれていないと思う) 

◇ フレイルサイクルと予防法
画像クリックで拡大図を別枠表示します
フレイルサイクル.jpg

高齢者は、社会的・精神心理的な問題を始め、さまざまな要因で活動量が低下しやすく、食欲低下等によって低栄養に陥りやすいといいます。[フレイルサイクル](上図:情報源より転載)に見られるように、低栄養は[フレイル]の前段階とも言える[サルコペニア(加齢に伴う筋力の低下または老化に伴う筋量の減少)]につながります。その結果、活力低下、筋力低下・身体機能低下を誘導し、活動度、消費エネルギー量の減少、食欲低下をもたらし、さらに栄養不良状態を促進させるという[フレイルサイクル]が構築されるます。といって、むやみに栄養をとれば過栄養、肥満となり[フレイル]を招くとか、何事によらずほどほどが良いと言うことでしょう。さて、栄養のある食事を始め、具体的な[フレイル]予防法を情報源から拾ってみます。
食事_120.jpg
① 十分なたんぱく質、ビタミン、ミネラルを含む食事
牛乳、卵、肉、魚、納豆などの食品を1つ追加する。
② ストレッチ、ウオーキングなどの運動
30分程度の散歩やウォーキング。
テーブルの端を握りながら立ちしゃがみするスクワットを一日50回(一度でなくて良い)。
③ 身体の活動量や認知機能を定期的にチェック
自分ではなかなか難しいので、医療機関や周囲の人に協力してもらう。
④ 感染予防
肺炎やインフルエンザの予防注射を受ける。
⑤ 手術の後は栄養やリハビリなど適切なケア
病気などで入院したのをきっかけに体力が落ちることが多いので、リハビリもしっかりと。
⑥ 薬の種類が多い人は主治医と相談
目安は6種類以上。複数の医師から薬をもらっていると、副作用や活動低下の原因になることも。
◇ 出典・情報源
   フレイルティ&サルコペニアと介護予防
    京府医大誌 121(10) 2012
    http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/jkpum/pdf/121/121-10/yamada12110.pdf
   NHK くらし☆解説 「高齢者は注意!"フレイル"ってなに?」
    http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/189640.html
   「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書 
    <参考資料1 対象特性>  3 高齢者
     厚労省 健康局
    http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042643.pdf

[目]

年金の減額はますます進むでしょうから、低所得高齢者の増加は避けることができません。多くの高齢者が医療難民化する時代も遠くないのかも知れません。懐は寂しく弱くとも心身ともに強靱な高齢者になれるように、万端な準備を整えましょう。


[いす]
〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
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健診診断 何が気になりますか? [健康診断データ]

健康診断はお受けになりましたか。最近は特定健診・保健指導で、健診後に呼び出されたりでいろいろと大変です。健康診断ではどの検査項目が気がかりでしょう。私が気になるのは、血液検査の[空腹時血糖][HbA1c][尿酸]の値です。[糖尿][痛風]、共に我が家は立派な家系を誇るため、いささか心配です。

今回は日頃気になる健康に関する調査とレポートからのご紹介です。グラフ・リストはレイアウトの都合上で編集再作成してあります。説明文は箇条書きに編集してあります。詳細と正確さを求める場合は情報源をお訪ねください。

◇ 健康診断で気になる項目ランキング
      6288票  体重測定 血液検査.jpg 
2 2232票  血液検査
3 1081票  血中脂質検査
4 833票  肝機能検査
  5 653票  血圧測定
  6 587票  身長測定
  7  557票  腹囲測定
  8  468票  視力検査
  9  348票  尿検査
  10  330票  空腹時血糖値
  11  263票  心電図検査
  12  245票  胸部エックス線検査
  13  52票  聴力検査
  14  339票  その他
  ○ 情報源・出典
    gooランキング/NTTドコモ みんなの声
    http://ranking.goo.ne.jp/ranking/category/099/cosme_UQYg4EbSyoU5_all/
    調査方法 NTTドコモ「みんなの声」にて投票を実施
    投票数 14276 
    投票期間  2012/4/9~4/22
  
◇ 健康について気にしている程度とその内容
   〇 健康について気にしている程度
  「気にしている」(「非常に気にしている」+「やや気にしている」)と回答した人は77%。
  「気にしていない」(「あまり気にしていない」+「まったく気にしていない」)23%。
  4人の内3人は自分の健康を気にしているといえる。
  比率を性別にみると、男性(74%)よりも女性(80%)でやや高い。
  年代別にみると、男女とも年齢の高い層ほど「健康を気にする」比率が増加する傾向にあり、50歳以上では8割に達している。
グラフの拡大図
phycon_01.jpg
   〇 健康について気になっていること
  全体では「体脂肪」34%、「コレステロール」32%、「血圧」30%、「中性脂肪」27%、「おなかの調子」22%が上位5項目となっている。
  男女別にみると、上位5項目の順位にはほとんど違いはない。
  その他の項目では、男性では「血糖値」「肝機能」、女性では「虫歯」「骨密度」「頭痛」の回答比率が高いといった特徴がみられる。
  年代別にみると、女性・20~30代では「おなかの調子」、男女とも30~40代では「体脂肪」、男女とも50代以上では「血圧」、女性・50代以上では「コレステロール」の回答比率が他年代層に比べて高くなっている。
表の拡大図(大)
表の拡大図(中)
phycon_02.jpg
  
   〇 健康状態
  現在の自分の健康状態については、全体では「健康である」(「健康である」+「どちらかといえば健康である」)81%。
  「健康でない」(「どちらかといえば健康でない」+「健康でない」)16%、「わからない/無回答」3%。
  8割が「健康」、残りの2割が「健康でない」と意識している。
  性・年代別にみると、「健康でない」の回答比率は男性では40代、60~70代で、女性では50代以上で2~3割。
  高年齢層ほど「健康でない」比率が増加する傾向がみえる。
グラフの拡大図
phycon_03.jpg
  ○ 情報源・出典
    健康意識およびメタボ健診についての全国世論調査
 株式会社 日本リサーチセンター
    http://www.nrc.co.jp/report/080714.html 
    調査方法 面接・留置き併用法
    調査対象 全国の15~79歳の男女個人
    有効回収数 1,200人(サンプル)
    調査期間  2008/6/4~6/16

[目]

健康維持には、まず毎日の運動と食事。「ビタミンB1は認知症やウエルニッケ脳症を防ぐ」「葉酸・ビタミンB6は心不全や脳卒中などの心血管疾患による死亡リスクを低減する」「座位時間が長くなるほど全死亡リスクは上昇する」「1日に15分程度の運動が全死亡リスクを14%低減する」・・・などなど、食事・運動と健康に関する研究や情報はweb上に溢れています。情報個々の真偽はさておいても、運動と食事は健康維持の根幹をなすことは確かです。健診データの値と共に心しましょう、偏食・運動不足のご同輩。


[いす]
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糖尿病管理と心不全 [健康診断データ]

成人の5人に一人が糖尿病、しかも年々増加の傾向にあると言います。糖尿病といえば三大合併症(網膜症・腎症・神経障害)がいわれますが、血糖値がコントロールされていないと、脳梗塞・心筋梗塞などにも影響を及ぼすそうです。今回は血糖値管理と心不全への影響を調査したドキュメントからです。レイアウト等の都合で文章やグラフは一部編集してある場合があります。詳細と正確さを求める場合は情報源・出典をお訪ねください。以下[ HbA1c ]値の表記は国際基準(NGSP)です。

◇ 糖尿病管理不良群では心不全入院が多い
観察期間(平均5.2年間)に15%の患者が心不全で入院したが、事前の糖尿病管理が不良であるほど心不全入院が多い結果であった。
糖尿_心不全_01M.jpg

◇ 心臓病のある人は糖尿病管理の影響が特に大きい
今までに心臓病のある患者(軽症と中等度以上)とない患者の3群に分けて解析すると、今までに心臓病のある患者で特に血糖管理の影響が大きかった。
糖尿_心不全_02M.jpg

◇ 心筋梗塞既往・糖尿病管理と心不全入院
心筋梗塞の既往の有無で、[ HbA1c ]値を分けて解析したところ、心筋梗塞の既往がある患者では、[ HbA1c ]が 8%以上と6.9%以下で心不全の危険性が高まる傾向にあった。他方、もともと心筋梗塞の既往のない患者では、[ HbA1c ]が低い方が心不全が少ない傾向を認めた。
糖尿_心不全_03M.jpg

◇ 調査の概要
①研究対象と方法
2000年1月から2007年12月までに糖尿病・代謝内科に紹介された608名の2型糖尿病患者を追跡し、入院が必要な心不全が発症した頻度をカルテ調査した。もともとのHbA1cの値とその後の心不全入院頻度の関係を解析した。

②年齢・性別・合併症
平均年齢は66歳、68%が男性であった。8割が高血圧と高脂血症を合併しており、5割が心筋梗塞や狭心症を有していた。

◇ 情報源・出典
   糖尿病患者の心不全発症頻度を調査 糖尿病管理が心不全にも影響
    国立循環器病研究センター プレスリリース
    http://www.ncvc.go.jp/pr/release/006460.html
        URLリンク確認は2014年5月
合併症M.jpg
◇ 関連過去ポスト
   茶話_5人に1人_糖尿
   茶話_HbA1cが上がった?
   基準値と性年齢 : 血糖



[目]

「50代後半から60代は血糖値のコントロールが悪い人が多く、55歳から糖尿病コントロールが急激に悪化し[ HbA1c ]が8.4%以上の糖尿病患者の割合が多くなる」「50代未満や70代以上は、自分の[ HbA1c ]値を把握している度合が低い」という調査もあります。また、糖尿病は三大合併症や脳梗塞・心筋梗塞ばかりでなく、うつ病や感情にも影響するというレポートもあるようです。「低血糖の場合、突然いら立ち、闘争的になり、まるで酔っぱらったかのように不明瞭な言葉を発することもある」「高血糖も集中力に影響し、機嫌の悪さにつながる」とか。血糖値は(も)、高からず低からずほどよく維持することに努めた方が良さそうですね。


[いす]
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健康基準範囲 [健康診断データ]

    『健康』は血圧147まで:日経新聞
    人間ドック学会など新基準値 男性の中性脂肪『高くても健康』:産経新聞
    『健康』基準 広げます 人間ドック学会 血圧や肥満度:朝日新聞
    『健康』な人が増える? 人間ドック検査で新基準:毎日新聞

4月上旬、人間ドック学会と健保連がドックや健診の[基準値]を見直したとする報道がありました。
  「130(mmHg)過ぎたら 血圧高め!! では無いんだ」 →関連ポスト 
  「やっぱりね。薬を売るために病気を作っていたんだ」 →関連ポスト 
などと、妙に納得できてしまう発表でした。

しかし、発表されたのは健康診断データの大規模調査をもとに作成した「検査値の基準範囲」であって、健康診断や人間ドックで用いられる「判定基準」あるいは「疾患判別値」とは別物だそうです。確かに上述の報道後に差し替えられたらしき発表資料の中でも、次のように断り書きがなされています。
基準範囲とは、国際的に認められている方法で、一定の条件を満たすいわゆる健康人(基準個体)をある集団から抜粋し、その試料を検査して測定値を得て設定するものである。すなわち、ここでは約150 万人の中から、既往歴、現病歴、検査値などで異常がないとされた個体を選別し、その後に他の関連検査項目における異常値の有無で二次除外を施行した。その数は検査項目で異なるが、最終的には約1 万~1 万5 千人の健康人の集団の検査値である。これに対し、健診などに使用される臨床検査の判断値は、基準範囲とは異なり疾患の疫学的研究によって得られた成績を基に、専門学会などで設定されたものである。
資料によれば、「[健康基準範囲]は、健康と定義された人の検査値を正規化し、データの95%信頼区間を計算し、その区間の下限値と上限値を逆変換したものを基準範囲とした。」とあります。
健診など臨床検査値の[基準値]は「『医学的に健康と判断できる人の集団(該当疾患の発症・既往・慢性化がなく、生活習慣の過度の乱れがない人)の検査値』の分布から基準上限値の2.5%と基準下限値の2.5%を切り捨てたものである。」とされていますから、どこがどう違うのやら分かりにくいですね。

さて、折角のデータが発表されたのですから、その[健康基準範囲]をみてみましょう。詳細と正確さを求める場合はそれぞれ情報源・出典をお訪ねください。 表の記号等の記載については次の通りです。
  • 検査項目の性差・年齢差の有無の判断は情報源の区分に従ったものです。
  • 年齢区分はいずれも、[ 30~44歳:Y 45~64歳:M 65~80歳:S ] で表記します。
  • 性区分はいずれも、[女性:f 男性:m ] で表記します。
  • 「学会基準値」は、日本人間ドック学会が定める基本項目において「A異常なし」とされる検査値(なお基本項目に該当しない検査の基準値は記載していない)です。

◇ 男女差および年齢差を認めない項目の基準範囲
項目 単位 女 性 男 性  学会基準値 
 下限   上限   下限   上限  下限 上限
血圧収縮期(SBP) mmHg 88 147 88 147    129
血圧拡張期 (DBP) mmHg 51 94 51 94   84
血清総蛋白(TP) g/dl 6.5 7.9 6.5 7.9 6.5 8.0
総ビリルビン(TB) mg/dl 0.4 1.6 0.4 1.6     
平均赤血球容積
(MCV)
fl 84 98 84 98    
白血球数(WBC) /μL 3,036 7,611 3,036 7,611 3,200 8,500
血小板数(PLT) /μL 15.0 33.0 15.0 33.0 13.0 34.9

◇ 男女差を認める項目の基準範囲
項目 単位 女 性 男 性  学会基準値 
 下限   上限   下限   上限  下限 上限
BMI kg/m2 16.8 26.1 18.5 27.7 25
クレアチニン (CRE) mg/dL 0.47 0.82 0.66 1.08 f- 0.70
m- 1.00
尿酸:血清(UA) mg/dL 2.6 5.9 3.6 7.9 2.1 7.0
中性脂肪(TG) mg/dL 32 134 39 198 30 149
HDL-C mg/dL 49 106 40 92 40 119
ALT U/L 8 25 10 37 0 30
γ-GT(GGT) U/L 9 40 12 84 0 50
空腹時血糖(Glu) mg/dL  78 106  83 114    99
赤血球数(RBC)  104/μL   392 485 437 536  f- 360
m- 400
 f- 489
m- 539
血色素量(Hb)  g/dL   11.9 14.6 13.7 16.4  f-12.1
m- 13.1
f- 14.6
m- 16.6
ヘマトクリット値(Ht)  36 44  41 48  f- 35.5
m- 38.5
 f- 43.9
m- 48.9

◇ 男女いずれか年齢差を認める項目
項目 単位 女 性 男 性  学会基準値 
 下限   上限   下限   上限  下限 上限
アルブミン(ALB) g/dL 4.0 4.8 Y- 4.1
M- 4.0
S- 3.9
Y- 4.9
M- 4.8
S- 4.7
4.0
AST/GOT U/L Y-12
M-13
S-15
Y- 24
M- 28
S- 31
13 29 0 30
HbA1c(NSGP) % Y- 4.83
M- 4.96
S- 5.11
Y- 5.83
M- 6.03
S- 6.20
4.97 6.03 5.5
総コレステロール(TC) mg/dL Y- 145
M- 163
S- 175
Y- 238
M- 273
S- 280
151 254 140 199
LDL-C mg/dL Y- 61
M- 73
S- 84
Y- 152
M- 183
S- 190
72 178 60 119
FW LDL-C
Friedewald式(F式)
[TC]-[HDL-C]-[TG/5]
mg/dL Y- 66
M- 79
S- 91
Y- 147
M- 178
S- 185
77 170
Non HDL-C
[TC]-[HDL-C]
mg/dL Y- 77
M- 91
S- 105
Y- 162
M- 196
S- 205
92 194
アルカリホスファターゼ(ALP) U/L Y- 94
M- 105
S- 123
Y- 237
M- 316
S- 341
119 303

◇ 男女とも年齢差を認める項目の基準範囲
項目 (単位) 女 性 男 性  学会基準値 
 下限   上限   下限   上限  下限 上限
e-GFR  (mL/min/1.73m2) Y- 62
M- 55
S- 50
Y- 111
M- .100
S- 94
Y- 62
M- 55
S- 50
Y- 111
M- .100
S- 94
60

◇ 情報源・出典
  新たな健診の基本検査の基準範囲 日本人間ドック学会と健保連による150 万人のメガスタディー
   日本人間ドック学会・健康保険組合連合会
   検査基準値及び有用性に関する調査研究小委員会
   http://www.ningen-dock.jp/wp/wp-content/uploads/2013/09/プレスリリース用PDF(140409差し替え).pdf
URLリンク確認:2014年5月


◇ 関連過去ポスト
   標準値のメリット
   年齢相応 
   基準値と性年齢 : 標準値の領域区分 


[目]

冒頭の[健康基準]の報道から1ヶ月
 「健康」拡大?困惑・誤解 将来の病気リスクの考慮なし :東京新聞
 超いい加減な健康基準値、大変更 :週刊現代
 60歳男性なら「血圧164も健康値」 :週刊ポスト
等々、相変わらず新聞や週刊誌では、いろいろな視点での後追い記事が目につきます。

このブログでは、性年齢に応じた[標準化値:SV]によって、検査値からみた現在の[健康ポジション]を分かりやすく理解すると共に、その値が辿るだろう今後から予防医学に利用することを目的としています。[健康ポジション]と[健康基準範囲]は、その元になる考え方は同じだと理解しますが、わかりやすさの面ではずいぶんと違うように感じます。折角の大規模な統計データです。有効に活用されることを願うばかりです。


[いす]
〇 標準値領域については次をご覧ください。
   標準値の領域区分について
    http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2011-12-12
健診.jpg〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
   EBMと標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html

〇 イラストは下記URLよりフリーイラストを使わせていただきました。
    http://zetia.jp/freeillustration_01.html


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BMIと健診データ その2 [健康診断データ]

BMI_体重2.jpg最近は少し下火になったのか、一時良く耳にした、「肥満で会社を首になった」「会社から減量を命じられた」等のニュースは余り聴かなくなりました。しかし、「肥満は犯罪だ」などと、私にとっても聞き捨てならない言葉を浴びせてくる方もおられます。前回に続きBMIと健診データの関係を少し深堀してみましょう。

表はBMIの標準値が120以上の場合と115以上の場合で、BMI高値群(の人達)の平均健診値が一般群の平均健診値に比べ有意差があると考えられる健診項目の一覧です。
P値(=差が無い確率)が低いほど有意差があり、統計的にみればBMI(肥満)との関連性が示唆されることになります。太字はBMI標準値が120以上でも115以上でも、関連の可能性の高い(有意差が無い確率1%未満の)検診項目です。
女性 
有意差が
無い確率
  BMI標準値
120以上の場合
 BMI標準値
115以上の場合
P<0.001
0.1%未満
血液
蛋白
腎・膵
脂・糖
血圧

白血球
  
 
尿酸 
HDLコレステロール
収縮期
肺活量比 努力肺活量
1秒量
白血球
  
 
アミラーゼ
HDLコレステロール
収縮期
 
P<0.01
1%未満
血液
蛋白
腎・膵
脂・糖
血圧
 
  
 
  
 
拡張期
   
赤血球
  
 
尿酸 
 
拡張期
P<0.05 
5%未満
血液
蛋白
腎・膵
脂・糖
血圧
赤血球 MCHC 血小板
 
ALT(GPT)  γ-GT
アミラーゼ
空腹時血糖
 
1秒量
血小板 
アルブミン
γ-GT
 
空腹時血糖
 
1秒量
男性
有意差が
無い確率
  BMI標準値
120以上の場合
 BMI標準値
115以上の場合
P<0.001
0.1%未満
血液
蛋白

  
腎・膵
脂・糖
血圧
白血球  赤血球
  
ALT(GPT) 
AST(GOT
)
尿酸
 
収縮期  拡張期
 
白血球  赤血球
  
ALT(GPT) 
LDH
尿酸
中性脂肪 
収縮期  拡張期
 
P<0.01
1%未満
血液
蛋白
腎・膵
脂・糖
血圧
MCH
  
 
 
 
 
肺活量比 努力肺活量
1秒量
 
  
AST(GOT)
 
HDLコレステロール
 
肺活量比
P<0.05 
5%未満
血液
蛋白
腎・膵
脂・糖
  
血圧
 
総蛋白
 
 
中性脂肪   HbA1c
HDLコレステロール
 
    
血色素
総蛋白
γ-GT
 
総コレステロール  HbA1c
  
   
努力肺活量


このT検定は、あくまでも統計的な判断で医学的なものではありません。また、男性650名・女性200名ほどの一般健康診断データによる結果です。サンプル数に限りのある結果であることをご承知の上でご覧ください。
下図はVisualHealth.NaviでBMI標準値120以上の場合の検定を行った図例
t検定.jpg
BMI_体重.jpg

[目]

健診データが健康の一つのバロメータであるならば、「肥満:体重をコントロール」することで、かなり改善されるといえそうです。但し前回にも申し上げた通り、データで見る限りは、BMIが標準値で100~105程度が健診データ全体を最もフラット(年齢相応平均)にしてくれる事を示しています。BMIが低くてもばらついてきます。
「肥満は犯罪」ではないでしょうが、もっとも「飽食が伴えば道義的犯罪」と言えなくは無いかも知れませんが、気をつけるに超したことはないようです。


[いす]
〇 本文中のグラフや標準値領域については次をご覧ください。
   本文中のグラフの見方について
    http://www.gikosha.co.jp/fig_blog/gpatalks_graph.html
   標準値の領域区分について
    http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2011-12-12
〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
   EBMと標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html

〇 イラストは下記URLよりフリーイラストを使わせていただきました。
    http://zetia.jp/freeillustration_01.html
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BMIと健診データ [健康診断データ]

先日、ある会合で、「BMIをBody Mass Indexの略だと知る人は少ない」という話を聞きました。まあ、知らなくとも差し障りはないように思います。今日はそのBMIと健診データです。

◇ BMI高値群の健診値パターン
グラフはBMIが高値(標準値で125以上)の方々とBMIが程良い(標準値で100~105)方、それぞれの群の健診データの平均標準値を示しています。グラフが見難い場合はいずれもグラフ上でマウスクリックすると拡大表示されます。

 女性
BMI_h_f.jpg

 男性
BMI_h_m.jpg

男性女性に関わらず、BMIが中程度の方々の健診データが綺麗にフラットなのに対し、BMIが高い方々は健診値全般が不安定なことが一目瞭然です。少なくとも健診データで見る限りはBMIが高いことはあまりよいことではなさそうです。

◇ BMI低値群の健診値パターン
BMIが低ければ良いのかというと、次のグラフの通り、男女ともBMIが低くても健診データにばらつきがでています。BMIと死亡リスクの調査では、死亡リスクの上昇は、むしろBMI低値(やせ)の方がより顕著であったと言う報告もあるようです。何事も中程度が良いようです。
グラフは 赤:女性 青:男性。
BMI_l_fm.jpg


◇ BMIの性・年齢分布
上のグラフでの標準値は40歳の場合ですが、BMIの平均は下図の通り、年齢にあまり影響されていません。女性が全年齢に渡って、同じようなばらつきで、なだらかに上昇しているのに対し、男性はあまり平均が変動せず、年齢が上がると、ばらつきが平均に向かって少し固まってくる傾向があるようです。
グラフは 左:女性 右:男性
BMI_bunnpu.jpg


[目]

メタボ判定や特定健診で、腹囲はいろいろと物議をかもしだしていますが、BMIについては少なからず健診データへの直接ないし間接的な影響を示しています。
BMIが当に高値グループの私が言うと少し説得力がないですが、程よいBMIを目指しましょう。
BMIを下げるのに、身長を伸ばすのは少し難しそうですので、やはり体重を落とすしかなさそうです。


[いす]
〇 本文中のグラフや標準値領域については次をご覧ください。
   本文中のグラフの見方について
    http://www.gikosha.co.jp/fig_blog/gpatalks_graph.html
   標準値の領域区分について
    http://gpatalks.blog.so-net.ne.jp/2011-12-12
image01.jpg〇 標準値[健康ポジション]については次のURLをご覧ください。
   全般
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01.html
   基準値と標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01stnd.html
   EBMと標準値
    http://www.gikosha.co.jp/SMIS/SMIS_01ebm.html

〇 イラストは下記URLよりフリーイラストを使わせていただきました。
     http://zetia.jp/freeillustration_01.html
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